2015年3月18日水曜日

TU-8300 (ハモンド改) を300Bで(その4)

TU-8300につける300B選定の続き。

曙光の300B-98は全体に聴きやすい。桂光300Bを少し元気にしたくらいの音で刺激音は出ない。コストパフォーアンスは低くは無いが、これならばGolden Dragonに戻したい。

VALVE ART 300Bは上から下まで元気いっぱいで、特に低音の量感がある球なのでやや音が重くなる。なかなか良いのでまる1日聴いていたら聴き疲れがした。

 最後にGDの4-300BCを試した。この球は300Bの高性能版として存在している球で、以前オクで買っておいたものだが実は自分j評価では失敗作で、SV-501SEで試した時は上がキンキン、下がボンボンで帯域は広いがド派手な音で使い物にならず、そのうちオク行きを予定していた。



ところがこの球をTU-8300につけるとあら不思議~、キンキンな高音は伸びやかで細やかな高音になり、低音のボン付も影をひそめ程よい量感、どう聴いてもこれまでの最高の音になった。

半信半疑で2日くらい聴いてみたが感想は変わらず、これはマイベスト組み合わせだ。

もしかするとWE300Bのほうがすごく良いのかもしれないが、価格を考えると気安く使える球でも無いので、貧乏性の僕にはきっと楽しめない。

やった~。これなら常用できるレベルの音だ。しかTU-8300がここまで音が良くなるとJB-320LMを買う意味が薄れてしまったような。おまけにこれから夏に向かうので真空管の球数の多いアンプは避けたいところだし・・・・また迷うことになってしまった。

こういう場合は決めてあることが1つある。「先になっても買えるものはその時買えばいい」という自分が考えた名言なのだが、僕の行動指針の1つになっている。 やっぱりしばらく待とうかなぁ・・・

2015年3月17日火曜日

TU-8300 (ハモンド改) を300Bで(その3)

引き続いてTU-8300の300B試聴を続けている。



以前ヤフオクで買った桂光の300Bを試してみたが、元々この球は中庸で角張ったところが無い球なのだがさすがにハモンドトランス化したTU-8300では高音が伸びる。ただし先端はやはり丸くて流して聴くには疲れない音だ。

Audio Spaceの300Bは以前管球王国でかなり良い評価であったのでこれもオクで見つけたときに買っておいた球なのだが、音はずいぶん元気が良い。帯域は狭めだが中高音に張りがあって少し音がざらつくのも迫力が増すのに一役買ってるようだ。

もう少し低音が欲しくてエレハモの300B(黒)に換えてみた。この球は高音も出るが低音も出る。少しの間はかなり良い組み合わせだと思っていたのだが、音自体が柔らかいのに気付いた。女性ボーカルはかなり良いがラッパはすこし引っ込む感じ。 意外にもクラッシックはイケそうな球だと思った。

2015年3月16日月曜日

TU-8300 (ハモンド改) を300Bで(その2)

朝になったのでボリュームを上げて聴いてみたらナス球の高音は美しいがやや強い気もしてきた。

小野リサはかなり良いがラッパが硬くなるのと古い録音がハイあがりに聞こえるときがあってもうちょっと調整が要りそうだ。

総じては生TU-8300からずいぶん音質向上したが、さらに詰めの余地がありそうだ。

球の候補は曙光300B-98、桂光300B、VALVA ART, AUDIO SPACEなど手持ちの中国球になるが、曙光300B-98あたりがよさそうな気がしている。.

TU-8300 (ハモンド改) を300Bで聴いた

ハモンドトランスに換装してからのTU-8300は大活躍している。以前の「高域が丸い」のと「中低音のニュアンスが出にくい」感じが改善されて、全体に音も前に出てくるようになった。

トランスによる高音域の改善が大きいのだろう。ハモンドはお勧めである。

やっと300Bを聴く気になったので僕のスタンダード、Golden Dragon 300B Superを付けてみた。 

音は以前よりも 明らかに良くなっていたが、長い間聞いてみると高域の硬さが目立つ。低音もやや軽めで、タイトでソリッドな音になった。 以前のボヤっとした音から解放されてこれはこれで悪くないのだが、もうちょっと球選定で改善したい。

低音が欲しいのでエレハモのGOLDで試してみたが、この球は中域が柔らかいので目指した音とは違ってしまった。 エレハモの銀はたぶん硬くてハイ上がりになると思うので中国球で何かないかと思った。

VALVE ARTはドンシャリ気味な音なので低音的には良いのではないかと思ったのだが、そういえば以前買った曙光のナス球があったはず。この球はレンジが広く低音も良く出る。 メリハリ調ではなく中庸なのでハモンドによる張りのある音を強調はしないはずだ。

ボンネットを付けているのは球を付けてから裏蓋を開けてのバイアス調整なので全体をひっくり返す必要があるからだ。この辺りはTU-8300Rで改善するかと思っていたが依然同様で300B球の交換は面倒だ。

ハムバランスも取って音を出した瞬間笑みがこぼれてしまった。今までで一番良い音になったことがはっきりした。この音なら300Bも面目躍如、クラッシック向けとは言わせませんよ。KT-88で鳴らした時よりも1段上の音になって大満足。細かな音も出るし低音もなかなか良い。 問題はこの球は生産終了しているので替えがないことで、JJあたりならいけそうな気もするけどロシア球はハイ上がりなイメージがあるので、出来たら中国球でレンジが広くて上が丸くならないものが欲しい。

僕のTU-8300組み合わせは以下の通り。この組み合わせはGoodですよ。

プリ: AGI 511(メンテ済、オペアンプ交換、電源電解コンデンサ交換、接点洗浄済)
ケーブル:今はゴッサムGAC-4/1、モガミ2497では高域がきつくなる
TU-8300R: プリ球 Mullard CV4003, 曙光ナス球300B

2015年3月14日土曜日

AGI 511のメンテ(接点)

接点を復活させる「接点復活剤」を使ってはいけない。 この手の場合は「接点洗浄剤」しか効果が期待できないし、変な薬剤が残ることをさけなければなら無い場所だ。

いつもはCAIGを使っている。以前別な機器で接点に使ってみたが効果が薄く、おまけに音にベールがかかった様になってしまって後悔したことがある。

CAIGのG5は接点復活剤の中では優秀な方だと思うが、RCAコネクタなどには良いかもしれないがスイッチの接点などには向かない。真空管ソケットにも向かない。理由は薬剤を残し、薬剤の残留量が微小な時に導電効果が高く、残留量が多い場合は絶縁的に働くような仕組みになっているために、使った結果いったいどっちになってるかが分からないのと、精神衛生上薬剤が残るのがよろしくないからだ。

今回はノズルの細いKCポイントクリーナーを使ったがサンハヤトの洗浄剤でもいいと思う。

結果は効果覿面、不安定なチャタリングが消え去り、音も良くなったのを確認できた。今後も洗浄剤のほうを積極的に使っていきたい気がする。

AGI 511の接点掃除の場合、プッシュSWの裏に小さな穴が2つ空いていて、その穴に洗浄剤を吹き込むとSWの中に洗浄剤が回り込んでくれるので都合が良い。 各SWを100回ずつON/OFFして回れば洗浄は完了する。

VRの交換、電解コンデンサの交換、オペアンプの交換、接点の洗浄の4工程にて今回の修復は終了とする。 残るは基板上の得体のしれないコンデンサ類の交換になると思うがこちらはやや難易度が高いのでやるかどうかは定かではない。今のところ2台のAGI 511は良好に動作している。

AGI 511のメンテ(電源コンデンサ交換)

AGI 511の電源に使われている電解コンデンサは銀のSprague 500μF 30VDC 39Dなのだが全く同じものは入手困難なので、同じSpragueの青い39D型番のものに交換する。

電解コンデサ1つで音が変わることが予想されるのでなるべくオリジナルに近いものをebayで青い39Dを見つけることが出来た。

ハンダこてで電解コンデンサのハンダを溶かしたうえで足を引っ張れば抜ける。この時無理に力を入れるとパターンがはがれてしまうので注意が要るが、中学生の頃からハンダ付けを行っているのでそのあたりは問題はない。 問題は取った後に残りハンダでふさがっている穴をハンダ吸い取り線で丁寧にはんだを吸い取って新しいコンデンサを挿すのに十分な穴を確保しておくこと。



極性を間違わないように新しいコンデンサをハンダ付けして完成だ。

全体には下の写真のようになったが、オペアンプは隠しソケットになっているので簡単に抜ける。今回は新品のTDB015DP(=LF357)にしておいたが、もうすぐ手に入るLM318も試してみたい。


次は接点不良になってる切り替えSWの処理に続く。

AGI 511のメンテ(ボリューム交換)

実はAGI 511を気に入っている。TU-8300の件で再調整してその潜在能力にかなり惚れてしまったので、予備としてもう1台買った。

今回ヤフオクで落としたAGI 511は結構ひどかった。 問題無さそうな説明だったので買ってみたのだがボリュームはMinでも右CHから音が盛大に漏れるし、VRを上げて行っても10時くらいを過ぎないと音が両CHからでない。切り替えスイッチの接点不良はもっとひどくて、手で押さえておかないと片CHから音が出なくなる。ただ音そのものはおかしくなかったのは幸運だった。

早速メンテに取り掛かったのだがまずはVRの交換。50kオーム2連を使うのだがALPSの高級VRが手元にあったが取り付け穴は合うがVRの不要な回転を防ぐ穴にVR側の突起がシャーシ穴に合わない。VRの寸法が小さいので仕方ないのだが、では何を選ぶか?

ネットでコスモスのVRを付けた人を見つけたが左右のVR差が結構あると書いてあった。 別の書き込みでコスモスのは音が太目になるという話を聞いたので今回はやめておくことにした。 仕方ないので代わり映えしないが1台めのAGI 511の時に使ったPECの50kオーム2連ボリュームを付けることにして、いつものように用賀のgalette audioさんに注文を入れた。

AGI 511に使われているVRはAllen Bradley社の航空機用密閉型で今は手に入らないが、何故かgalette audioさんには互換品とも言えるPEC社製航空機用密閉型VRが在庫していて、それも50kオームなので大変助かっている。 もちろんこの商品は ebayでも見たことが無い。



実はこのgalette audioさん、商品選定にすばらしくセンスが良くていつも買った後から気づかされることの多いショップさんなのだ。 例えばなんでこんなもの売ってるの?的な感じを受けた商品が決まって半年後くらいに必要になるので、自分よりもはるか先を歩かれているような気がして思わず苦笑してしまうことが多い。

AGI 511のフロントの電源SWの黒いカバー(ネジになってる)回して外し、電源LEDの黒カバーを同様に外し、VRノブ2個を六角レンチで外し、VRの外側のネジを2つともとればフロントパネルが外れる。 シャーシの上蓋と下蓋を取るとバラバラになるので、ここからメンテを始める。

ボリュームにはオフセット調整とみられる240Kオームの抵抗器がはんだ付けされているので今回のPECにも同様にはんだ付けしておく。 240Kオームという抵抗値は以前のAGI 511でも同じ値だったので個体差を調整するものでは無いようだ。



無事交換も終わったので、次は電源コンデンサの交換に入る。

TU-8300のトランス交換

頼んでおいたハモンドトランス(125FSE)が来たので換装してみた。

1週間くらい経ったので感想を書いてみるが、はっきりとした音質向上があった。

このトランスの音には迫力がある。きつくなり過ぎない程度にメリハリが出るがバランスは良くて、音が前に出てくる。 低音はスケール感が増し深みが出てきたし、高音に冴えが出てかなり満足。





エレハモのKT-88を付けてみたが、トランス換装前は単調な音だったのが音楽性豊かに、音に幅が出てきてEL34に差を付けるようになった。エレハモのEL34はKT88に比べて音が細くなるので今はTESLAのEL34に交換してみたが、やはりKT-88に分があるようだ。

300Bでのテストは後日に行ってみたい(バイアス調整に手間がかかる)。

TU-8300の音が劇的に良くなる(続編)

オペアンプを交換してしばらくして気づいたのだが、高音も低音も出るようになったが音が歪む。もしかしてゲインが高すぎるような、しかしオペアンプなのでそんなことは無いはずだが・・・しかし歪むのだ。

仕方ないので新品のLF357Nに交換してみたら・・・これはこれで結構良かった。低音は少し減るが透明感がある。 AGI-511のメンテにはオペアンプ交換は欠かさないと思った。 同時にLF357Nまたは初期のAGIに使われていたらしいLM318に交換するのが良さそうだ。 LM318は後日試してみたいのでまたebayで手配しておいた。