2025年6月15日日曜日

(続)整流管 5AR4の聞き比べ SV-6V6SEにて

 前回のテストから確かめなおした結果、印象が変わったことがあったので書いてみた。

まず、PSVANE 5AR4の印象については、結果はおなじくダメだった。

なぜに音が並んでしまうのか考えたが、低音不足、高音は過多だが5KHz未満のところで過多になってる感じ。高音がそのまま伸びていくならば音場は広がるはずなのに広がらない。オーディオ用で使わないほうが良いと思った。


ついでにTUNG-SOLについても再確認した。

こちらは先回よりだいぶいい印象になった。高音は柔らかいが伸びていて、低音もほどほどに出る。ボリュームをある程度上げないと真価が見えないタイプかも。

東芝も再確認した。

先回のようなすべて良いという印象から変わって、骨太の音であるが高音の伸びが今一歩の印象になった。再確認したJJはいたって広い周波数特性で優等生ぶりは変わらなかった。

結局どれにするか? 

SOVTEKにしようかと思って再確認してみたらこちらも高音の伸びが足らず、中音あたりで団子になるためモヤる。ソフトではなくモヤってるという感じになった。時間経過でやや良くはなるが全体には変わらず。東芝の劣化版みたいな位置はかわらなかった。

TUNG-SOLに戻して再確認を、と思ったらアンプの電源が入らなくなった。ヒューズが飛んだ模様。劣化か?

気を取り直してヒューズ交換しTUNG-SOLで再確認したら前回よりいい感じで鳴っている。もしかしてヒューズが切れそうだったことも音質に関係あったかもしれず、よくわからないままTUNG-SOLをそのまま据え置くこととした。




2025年6月14日土曜日

整流管 5AR4の聞き比べ SV-6V6SEにて

 以前キット屋さんのプリの時に整流管5AR4の聞き比べをやった。あの時はパワーアンプに山本音響の2A3シングルをつけていて、音源はroonだったけどBridgeにWindows11のPCを使ったためややハイ上がりの音だった。

USB DACを接続する際に低遅延にするためのいろんな工夫があって、有名なのはXMOSのチップとドライバ、またはドイツRME社のDAC(ドライバが逸品です)などがあって、最近になってWin11のUSBドライバでWSAPIなるものが完備されてずいぶん音がよくなった。DACについてくるXMOSのドライバと遜色ないくらいになってきた。

ただ、個人的にはUSB経由でDACをつなげるのをお勧めしない。理由は音がかわってしまうから。特にWin11のWSAPIはハイ上がりでダメ。USBだったらRMEのDACを買って専用ドライバでつなぐばあいはメーカーがバランスを担保するので良い。

ここ最近、僕は「同軸ケーブル」でしか接続していない。

LinuxのALSAについても信用していないので、Linuxでropiee roon bridgeを使う場合もUSB接続でなくNorth Fox Digi同軸HATを載せてDACとは同軸接続にしている。

そういうことでハイ上がりの環境から脱したため、あたらめて5AR4を聞き比べてみた。


SunAudioのSV-6V6SEを使っている。いろいろ試したけどこのアンプは物量が投じてあるため音が安定していて、低音から高音まできっちり出る。6v6ごときに使うべきでないくらいの税多岐な大型トランスを搭載していて、カップリングコンデンサは安価で癖の少ないASCだ。

左からJJ, 東芝、SOVTEK、PSVANE、松下、GEとなっている。そのほかに前回絶賛した復刻TUNG-SOLがある。これらを聞き比べてみた。

1位:東芝

   全体にメリハリがある。東芝球は骨太だが高音が出ない印象だったがこれは違った。

   骨太だが低音から高音まで伸びやかに出て明るい音、これが一番だった。

2位:JJ

   こんな優等生がいるのか、という印象。低音から高音までよどみなく、メリハリも

   ほどほどの優等生的な音。JJはECC82の時も同じような印象だった。

   全体に統制がとっていて抑制がよく効いた音。常識的なのでつまらない、かな。

3位:SOVTEK

    東芝から骨太を取って中庸に置き換えたような感じ。全体に音の雑味が多いけど

   安価だから許す。

4位:GE

     東芝をもっと良くした感じ。はっきりした音でやや疲れるかも。やや高い。

5位:松下

   柔らかで上品なシルキーな音。これはこれで悪くない。松下管は個人的に

   毒消し君と呼んでいて、他の12AU7でも凹凸をまとめる力があった。

6位:TUNG-SOL

    全体にソフトで高音があまりでなかった。それではっきりしない音になった。

   以前のハイ上がり環境だったのでベストとしたが今回の環境では凡庸だった。

7位:PSVANE

   何で?と思えるくらい変。下から上まで音が全部出てずらっと並ぶ感じ。

   奥行感がゼロになった。エージングで変わるかもなので要再調査かな。


2024年11月18日月曜日

NASの自作(ハードウエア)

 NASを何台か使っている。最近は価格が高騰しているのでASUSTORのNASを使うことが多いが、Synologyもバックアップ用で外せない。

余っていたWDの8TBが4本あったので古いASUSTORに入れてNASを構築したら、初期化に2日かかって、さらにデータコピーの速度が50MB/s程度しか出ず(1GbEの場合理想的には100MB/s程度で帯域フル)、おまけに速くなったり遅くなったりが激しい。

新しいNASを追加する気も起らないので今回は自作することにした。

ケースはこれ、「KCMconmey 4 + 1ベイDIY NASケース」で12,000円くらいだった。



小型サイズなので中が狭くて、マザーボードの高さの猶予が50mmくらいしかないので、CPU COOLER付のマザーは無理っぽい。それでASUSのCPUオンボードなPRIME N100I-D D4-CSMと、電源にFLEX ATXのEnhanceの350Wを用意してみた。






初めはSilverStoneのSST-FX350-Gを用意したのだが電源背面の電源SWが邪魔してうまく取り付けられなかったのでEnhanceに買いなおした。SilverStoneのは後日何かで使おう。

買ってから気が付いたのだがASUS PRIME N100I-D D4マザーにはSATA HDDコネクタが1個しかないのでHDD 4個は付けられない。4chのSATAインターフェースも必要になった。


RAID用の拡張カードをいろいろ試したみたけどうまく動かせない。TrueNasのForumとかいろいろ調べたところ、複数口のある単なるSATAカードにしてソフトウエアRAIDにすることが障害復旧まだ考えた場合一番良いと書いてあった。いろいろ調べてこれは10Gtek PCIe SATAカード 4chだが、制御チップがASMedia ASM1064のものならOSからは特にドライバ追加しなくても認識されるようだ。

結果はTrueNasでうまく動かせたが負荷をかけてしばらくすると温度上昇がそれなりにあった。箱が小さいので仕方がないけど、置き場所を工夫してHDDに熱負荷をかけないようにしないとすぐに死んでしまう。


2021年11月14日日曜日

山本音響工芸 HA-01のこと

最近急にヘッドホンアンプに凝っています。夜間に大音量で聞けるのがイイ。

今はカインのHA-1A Mk2で落ち着いていますが、交換球が集まったらパワー球のEL84をエレハモから他の球に変えてみたいと考えています。

山本音響工芸という会社があります。職人さんの会社でいつも違ったアプローチをする面白い会社です。A-08sという45ベースのパワーアンプが売れていて過去に何度も買いそうになってその度に思いとどまっています。

ずっと前に販売終了したHA-01というヘッドホンアンプを手に入れました。電池管の3S4というあまり知らない真空管が2個使われていて、トランスにはたぶん自前巻きか特注のものがつかってあります。


内部は整然としています。

音は繊細で誇張の少ない品のいい音、しいて言うと低音の量感が足らないのはヘッドホンの相性もあって、インピーダンスの違い(今使ってるのが60オーム)なのか、別なのを付けてみたらある程度低音は改善しました。安めのヘッドホンでも十分使えそうな感じです。
カインのHA-1AのようにヘッドホンをSPのようにドライブしてやる感はありません。

電池管もいくつか集めていますので近いうちに交換してみたいと思います。


2021年10月31日日曜日

真空管ヘッドホンアンプ2選

 しばらく空いてしまいました。

最近になってヘッドホンアンプを買いました。最初はCayin HA-1A Mk2というもので、聞いてみたら音がかなり派手で高音がざわつく感じだったので球を変えてみようと思いましたが、比較のために東京サウンドのVALVE-X SEも手に入れました。これで済むなら済ませたいという思いもありました。


大きさがずいぶん違いますが価格も倍くらい違います。重量も倍くらい差があります。

HA-1A Mk2の音質はきわめて良い音でした。華麗で明るくて繊細、満足度は高いですがプリアンプとして使ってみるとNGです。高音が籠ってSPからの音がよろしくありません。

VALVE-X SEのほうはといいますと、ややPC出力の延長線な音。音質は悪くないのですが陰陽と速度感がない平坦な感じがします。馬力感がだいぶ違います。HA-1A Mk2のほうはヘッドホンをスピーカーとして扱ってるのがよくわかる音です。ただ、流して聞くならこっちでもいいかもしれません。

せっかくなので球をいろいろ変えてみました。まずはVALVE-X SEのほうから。


もともと付いていた12AU7が何故かGolden Dragonだったので前のオーナーが変えたものだと思います。でも片方がNGでチューブテスタで測ったらFailでした。

全体に低音が軽かったので最初に東芝球に取り換えてみました。
音は図太くなったのですが高音が出ません。他にもいろいろ変えてみました。

【松下】 高音が出すぎ、元気在りすぎで却下
【Gold Lion】 派手すぎ、高音キンキンでザラザラ感ありで却下
【RCA】クリアトップですが普通の音でした。
【NEC】かなりいいですがNOS球はどうしても真空度が低くなってきているのか
    高音の伸びで詰まる傾向があります。
【Golden Dragon】金足E82CCです。派手な音。高音がザラザラで却下。でも悪くない。
【JJ】まじめな優等生。文句は無いけど特徴もない王道的な間違えない音。次点
【エレハモ黒】ベストマッチです。少し派手ですが許容範囲。
【エレハモ金】初めてこの球がちゃんと使えたアンプです。かなりいいです。
       音が柔らかくなって聞きやすい。繊細さあり、高音も出ています。
【Siemens】ヨーロッパ球は品がいいですね。でも真空度下がってますよね、多分。

ということでエレハモの黒に決まりました。エレハモ金はずいぶん前に買ったもので一度も使えず我が家では「ボヨボヨ君」と言われておりましたがこのアンプでは大丈夫でした。
エレハモ黒と迷いましたが今回は安パイの黒で。

HA-1A Mk2のほうは開けてみたら前段がJJのECC82、後段がエレハモのEL84でした。
もう少し高音をきれいにしたくて球を変えてみました。

とりあえず前段の優等生JJ ECC82をそのままにして、後段だけ変えてみました。

【JJ】瘦せた音になりました。キレイはきれいですが、却下。
【SOVTEK】 割といいですがやや音が暗いです。交換するまでには至らず。
【Zaerex】 英国商社のロシア球です。悪くないけど交換に至らず。

あまりEL84の手持ちがありませんので、結果的にエレハモのままにしました。

前段ECC82を変えてみましたがどれもいいのは無くて、エレハモの黒と金をつけた時だけ左CHからぼそぼそノイズが出ます。相性が悪いようです。

HA-1Aのほうは結果的に球は元に戻して交換しませんでした。
これでしばらくは使おうかと思っています。

結果はヘッドホンアンプとしてはHA-1A圧勝、VALVEのほうは単なる増幅が目的なのに対して、HA-1Aはヘッドホンをスピーカーに見立てて鳴らそうとしていました。同じ理由でトライオードやユニゾンリサーチの真空管ヘッドホンアンプもHA-1A同様な構成になっているのでしょうね。

トライオードやユニゾンも聞いてみたい気がしました。

2021年1月7日木曜日

僕がフルサイズ一眼を買わない理由

 先々週まではSIGMA fpが欲しくて、先週はSONYのα7Sやらα7cやらが欲しくなって色々見ていた。パナのDC-S5Kだって魅力的だ。特に単焦点で撮った人物画像などには痺れてしまう。

ただボディを買うのは簡単だがフルサイズ用のレンズは高い。それに重いのできっと買ってから嫌になるのではないだろうか。


富士フィルムのカメラは描画が柔らかくて好きだ。人を撮るのに向いていると思う。
オリンパスはどうか。まず色が大変汚い。青だけはパッとしているが肌色が悪くて病人みたいになるのをLightroomで何とかしている。ただ物撮りはカリっとしていい感じだ。ISOも暗部でなければ6400くらいまでなら使える。

それでいろいろ考えた挙句、今回もフルサイズを見送ってオリンパスと富士フィルムの2ブランド建てで、単焦点や短いところを富士、望遠系をオリンパスで撮ることにした。それでもフルサイズのカメラを買って何本かレンズをそろえるよりは安価に済むと思う。


2020年11月28日土曜日

OLYMPUS OM-D E-M1X

 OLYMPUS OM-D E-M1X突然の値下げで半額近い値段になっていた。


身売り前の在庫調整をかねての大幅値下げの模様、一時的かどうかはわからないので俄然買う気になってしまった。

先日Nikon Dfを断腸の思いであきらめたばかりなのに今回のこれにはとても贖える気がせず、さんざん思案したのちに先ほどポチっと行ってしまった。

実はOLDニッコールもそうなのだが、以前E-5を使っていた時のZuiko Digitalレンズも何本か持っている。特に松レンズとライカレンズについては「もったいない」と思っていたので、パナのG9Proで再利用を試みたものの余りの余分な動き、余りの遅さに閉口してZDはお蔵にしまっていた。

OM-D E-M1XではZDレンズが実用になると聞いたのはさらなる決め手になった。

しかしもしあの時Dfを買っていたら・・・それは考えたくもないパラドックスだ。再利用にはうんと旧いAiニッコールよりもZDレンズの方がはるかに実用的に見える。