しばらく空いてしまいました。
最近になってヘッドホンアンプを買いました。最初はCayin HA-1A Mk2というもので、聞いてみたら音がかなり派手で高音がざわつく感じだったので球を変えてみようと思いましたが、比較のために東京サウンドのVALVE-X SEも手に入れました。これで済むなら済ませたいという思いもありました。
大きさがずいぶん違いますが価格も倍くらい違います。重量も倍くらい差があります。
HA-1A Mk2の音質はきわめて良い音でした。華麗で明るくて繊細、満足度は高いですがプリアンプとして使ってみるとNGです。高音が籠ってSPからの音がよろしくありません。
VALVE-X SEのほうはといいますと、ややPC出力の延長線な音。音質は悪くないのですが陰陽と速度感がない平坦な感じがします。馬力感がだいぶ違います。HA-1A Mk2のほうはヘッドホンをスピーカーとして扱ってるのがよくわかる音です。ただ、流して聞くならこっちでもいいかもしれません。
せっかくなので球をいろいろ変えてみました。まずはVALVE-X SEのほうから。
もともと付いていた12AU7が何故かGolden Dragonだったので前のオーナーが変えたものだと思います。でも片方がNGでチューブテスタで測ったらFailでした。
全体に低音が軽かったので最初に東芝球に取り換えてみました。
音は図太くなったのですが高音が出ません。他にもいろいろ変えてみました。
【松下】 高音が出すぎ、元気在りすぎで却下
【Gold Lion】 派手すぎ、高音キンキンでザラザラ感ありで却下
【RCA】クリアトップですが普通の音でした。
【NEC】かなりいいですがNOS球はどうしても真空度が低くなってきているのか
高音の伸びで詰まる傾向があります。
【Golden Dragon】金足E82CCです。派手な音。高音がザラザラで却下。でも悪くない。
【JJ】まじめな優等生。文句は無いけど特徴もない王道的な間違えない音。次点
【エレハモ黒】ベストマッチです。少し派手ですが許容範囲。
【エレハモ金】初めてこの球がちゃんと使えたアンプです。かなりいいです。
音が柔らかくなって聞きやすい。繊細さあり、高音も出ています。
【Siemens】ヨーロッパ球は品がいいですね。でも真空度下がってますよね、多分。
ということでエレハモの黒に決まりました。エレハモ金はずいぶん前に買ったもので一度も使えず我が家では「ボヨボヨ君」と言われておりましたがこのアンプでは大丈夫でした。
エレハモ黒と迷いましたが今回は安パイの黒で。
HA-1A Mk2のほうは開けてみたら前段がJJのECC82、後段がエレハモのEL84でした。
もう少し高音をきれいにしたくて球を変えてみました。
とりあえず前段の優等生JJ ECC82をそのままにして、後段だけ変えてみました。
【JJ】瘦せた音になりました。キレイはきれいですが、却下。
【SOVTEK】 割といいですがやや音が暗いです。交換するまでには至らず。
【Zaerex】 英国商社のロシア球です。悪くないけど交換に至らず。
あまりEL84の手持ちがありませんので、結果的にエレハモのままにしました。
前段ECC82を変えてみましたがどれもいいのは無くて、エレハモの黒と金をつけた時だけ左CHからぼそぼそノイズが出ます。相性が悪いようです。
HA-1Aのほうは結果的に球は元に戻して交換しませんでした。
これでしばらくは使おうかと思っています。
結果はヘッドホンアンプとしてはHA-1A圧勝、VALVEのほうは単なる増幅が目的なのに対して、HA-1Aはヘッドホンをスピーカーに見立てて鳴らそうとしていました。同じ理由でトライオードやユニゾンリサーチの真空管ヘッドホンアンプもHA-1A同様な構成になっているのでしょうね。
トライオードやユニゾンも聞いてみたい気がしました。