2015年5月7日木曜日

カップリングコンデンサ雑感

AudioCapが載ったJB-320LMは好みの音になっていないことは前回書いた。ちなみにAudioCapを由としているメーカーとしてSunAudioさんがあって、製品のLIMITED版にはAudioCapが載っているようだ。



SV-2A3という超ロングセラーの製品を持ち、以前に僕も所有していてその素直で実直な製品を作り続けているこの会社が間違うはずもないので、気になって300Bから2A3に交換してみた。

AudioCapと2A3の相性はなかなか良かった。AudioCapの嫌な部分が減って、解像度が高いことが相まって高い透明感となった音が出てきた。 しばらく聞いているとやはり僕のきらいな刺激的な部分も出てきたが、これは600Bとの関係もあると思う。 しかし他のSPで聴いても仕方ないのでここは変えて再評価はしない。 AudioCapは300Bよりも2A3に合う。

ASCコンデンサを載せたTU-8200とTU-8300は調子が良い。特にハモンドトランスに換装したTU-8300についてはもっとよくなった。 ASCコンデンサの音は「なりっぷりが良い」「音が太い」「ややザラザラ感があってJazzに向く」といったものだ。 高音にやや癖があるが音が細くならないのでAudioCapのような鋭さが無く聴きやすいが、解像感はAudioCapに劣る。

明らかにaudioCapのほうが音数が多い、というか気にしてなかった楽器が聞こえるようになる感じがあって、悪くはないがやや神経質でもあって、僕はおおらかな音のほうが好みだ。
 
TU-8200もTU-8300もフルレンジSP向きのアンプだと感じている。 友人宅のJBL 3Wayで鳴らしてみたときはまあまあのレベルであったが、友人のSV-2300SEに完全にノックアウトされたことがあった。

そうだ、フルレンジ向きのアンプと2Way/3Way向きのアンプは確かにあって、前者はシングルアンプで、後者はプッシュプルだと最近は思うようになった。

ではSV-320LMはどうなのか? 今のところはシングルアンプなのにフルレンジ向きとも言えない折衷な感想を持っているが、PPのMACTONEよりは間違いなくフルレンジ向きだ。ではSV-510SEと比べるとどうか? 高音の伸びや全体の音の押し出しでJBがSV-510に優るのだが、SPのコーンをなぞるようなあの音は出てこないので、SVに軍配が上がる。

JB-320LMは良くも悪くも現代アンプの音なので、ビンテージの600Bを鳴らしてSV-510に勝てないのは仕方のないことでもあろうが、現代スピーカーを持っていないのでカップリングコンデンサの到着を待っている次第だ、 ebayで注文したEROもTRWもNOS品で、これからJB-320LMの音を600Bに合うように仕向けていくつもりだ。



実はSPRAGUEやWEST-CAPのNOSコンデンサをストックしてはいるのだが、以前のテストで相当高音域が落ち込んだ経験があって、今回は使わないでいる。もしかするとJBには合うのかもしれないが、JB自体何度もコンデンサを交換できるような構造になっておらず、はんだづけを付けたりとったりしているため、ケーブルの先端の被膜は溶けてしまって、これ以上は一旦先端部を切って被膜を剥いて再度はんだ付けする必要が出てくる。 しかし線長に余裕がなく、もしかすると配線をし直さないといけなくなるのが嫌なのだ。

ではEROやTRWなら高音が落ち込まないのか? それは今の段階ではわからないのだが、予想としては落ち込まないと思っていて、実はNOSのオイルコンの経験はあってもフィルムコンの経験が無くて真偽のほどはわからない。到着してからのお楽しみだ。

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