2015年10月24日土曜日

SilverNight vs SV-501SE 300B

SilverNightとSV-501SEを比較してみることにした。

公平を期すために出力球はどちらもGDの300B Superで揃えた。

Silvernightは初段CCa, 次段HALTRON 5687で、SV-501SEは初段TELEFUNKEN 6MB8にしてある。

結果は各々に良いところがあって甲乙つけがたく、どちらかを手放せといわれたほんとに迷う。

比較して改めて分かったSV-501SEがスーパーハイCPであるという事実、このアンプはこの価格でよくもここまでという名機だと思った。

音の素直さではSV-501SE、巧みさでSilvernight、レンジはSVの方に分があるが少し高音域に癖というか強調された部分があって、これが華やかさに通じている。

同じ演奏を聴いてみると、SVは主役を浮かび上がらせて脇役を抑える傾向があって、ボーカルならボーカルの音が大きくなってピアノが引っ込む、みたいな感じ。浮かび上がったボーカルは適度に強調されて艶やかで伸びが良い。

SilverNightは何を強調することなくまんべんなく鳴らしてくるので派手さはないのだが、音の数が多い。鳴り方が丁寧で抑揚を上手に表現できる。比べるとSVは元気はよいが一本調子に聞こえる。

SVがフレッシュでJazz向き、SilverNightは巧みなオールラウンダー、しかし両方とも音は豊かで低音も出る。

SPをAltec 755aとLowther PM6Aで比べてみると、SVは755aと相性が良く、SilverNightはPM6Aのほうが良い。同じイギリス製だから当たり前かもしれない。

SilverNightはイギリス特有のちょっと根暗な所や理屈っぽい感じがする時があって、素直な日本製のSVとは違うのだが、出てくる音にも国民性が反映されてるようで面白い。

AUDION SolverNight 300B 入手

以前から興味があったイギリスAUDION SilverNight 300Bを手に入れた。日本では価格が高すぎるので中古品であるが外観はそこそこ綺麗だった。

VRのガリが凄かったので早速交換した。

ALPSの二連50kΩは手持ちが有ったのでその日のうちに交換できた。

音出ししてみて高音の伸びがあまりないけど音の筋は良いことが分かった。カップリングコンデンサは前オーナーによって松下のフィルムに交換されたので怪しんだのだが、高音が伸びない理由とは関係なさそうだったので、球の交換をして調整することにした。

結局、初段の6922はSIEMENSのCCaという高級品になった。6DJ8も付くのでいろいろ試せたのだがCCaが一番で、得意のBugle Boyは元気が良すぎて品位が落ちる感じだったので使えず、他では東芝は悪くなかったのだがレンジが狭い感じがして、結局CCaに落ち着いた。

実はCCaは4本ほど持っているのだが今まで使えた試しがなくて寝てたので、今回使えてラッキーだった。

次段の5687については実は初めて触る球で、当然ストックは無く、ヤフオクでと思ったのだが思いのほか落とせず、仕方ないのでebayからTUNGSOLとANPEREXのものを早めに手に入れて、後日ヤフオクでPhilipsとHALTRONを落とした。

TUNGSOLが一番 人気らしいが、元気が良すぎて高音域の品格が落ちる。同じように高音が伸びるPhilipsとは大違い。いろいろ試して一番良かったのはHALTRON。この球の音はどこにもとんがったところが無いやる気ない音だが、枯れた味わいがイイ。 これ採用することにした。

カップリングは松下のを別なものに交換したいところだが、630Vで4.7μF。当然でかくなるわけでおよそ30mmくらいの長さで納めないといけないため、他に候補が見つからない。ぶらさがってもいいならいろいろあるけどあまり高いものはやめておきたいので、しばらくはこのままで。

SilverNightの音は巧みだ。全体に聴きやすいが華もあって、なるほどのロングラン。しかし日本定価50万円の価値は無いとおもう。 SV-501SEの完成品が20万円くらいなので、SilverNightは30万円弱くらいが妥当ではないかと思うのだが、如何でしょうか?