オリジナルのカップリングコンデンサに変えたJB-320LMはエージングも進んでかなりいい調子で鳴っている。
しいて言えばあの桂光300Bを付けていても高音がそれなりに出ているのはやはり高音は強い傾向がある。オリジナルのコンデンサは高音がやや丸いのでそのあたりを上手に処理していて、DEL RITMOは逆にそこを受けて金属音にしてしまって不快な音を出していたのではないかと、今は想像している。
ならば最初からBLACK BEAUTYなどのビンテージコンデンサのほうが合っていたのかもしれないが、今ははんだを外して何度もコンデンサを交換する気が無い。
キット屋さんのHPではドライバ管は6V6なのでそちらで試してみようと考えた。高音がキンキンしがちな6V6(VT-25もそうだが)をこのアンプに取り付けるともとに戻ってしまうのではないかと危惧していたが、つけてみるとそんなでもなかった。スケール感はEL34比で落ちるが、細かな描写はよくなった気がする。
東芝の6V6を付けたらちゃんと東芝の音がした。東芝の球は周波数帯域が狭く、高音域は伸びてはいないがメリハリがあり、低音は太い、剛の音である。 高音域のメリハリがアンプの高音と重なってややもすると嫌な音になりそうな境界線であったので、VISSEAUXの6V6に変えてみた、
VISSEAUXの6V6はネットで音が良いと書かれていたビンテージ球だ。ロシア製の球をイギリスの商社が選別して売っていたものらしいが、それならGolden Dragonと同じ商方である。
VISSEAUXの6V6もよく唄う音だが高音がやはり強めなので、ここは個人的大好き管KEN RADに登場を願った。
KEN-RADの6V6は意外に元気が良かったがじきに音がお落ち着いてきた。KEN RADは大変穏やかで独自の雰囲気がある管で、いろいろ音がとんがった時に登場させてまとめ役になってもらっているが、今回もその役割を果たしてくれたようだ。
この段階で課題がなくなったわけではなく、高音の出ない桂光300Bを無理やり高音を出させている感じが否めなく、トーンコントロールでトレブルを上げてる感じが嫌なので、300Bを標準Golden Dragonに換えて再度調整をしてみたい。
ただいまの評価ではSV-501SE比で、音のニュアンスで△、帯域の広さで○、明瞭感で○、高音域の質で△、高音の伸びで○、低音は○である。 総合点ではSV-501SEを超えているが、SV-501SEのノスタルジックな音と、JB-320LMの現代的アンプの音ではどちらも趣があって面白い。
たとえばビックバンドはJB-320LMのほうが合っていて、トライオードのアンプの音に近いのではないだろうか。
SV-501SEについてはしなやかでやさしい反面、聴かせるところは聴かせますという音で、もともとはアドバンスの故米田社長の設計ときいているのだが、その人となりを伺わせる技ありな音である。
僕はJBに技ありの部分を持たせられるように改造していきたいと考えている。もしかするとルール違反の高いコンデンサが解決してくれる問題なのかもしれないが、もしそうだったらちょっと気持ちが困るかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿